バソプレッシ


バソプレッシン (Vasopressin または arginine vasopressin - AVP)とは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンの一つ。 抗利尿ホルモン (antidiuretic hormon, ADH) 、血圧上昇ホルモン、バゾプレシン、バゾプレッシンとも言う。




目次

  • 1 ヒトに於いて
    • 1.1 意義
    • 1.2 構造
    • 1.3 合成・分泌
    • 1.4 受容・伝達
    • 1.5 作用機序
  • 2 医療における応用
  • 3 ヒト以外の生物に於いて

ヒトに於いて

抗利尿ホルモンの名の通り、利尿を妨げる働きをする。またVaso(管)+ press(圧迫)+ in から作られた語であることからもわかるように、血管を収縮させて血圧を上げる効果がある。

意義

利尿を妨げる事は体液の喪失を防ぐ事になり、脱水やショック等の様に循環血漿量が低下した時に体液を保持する意義がある。

構造

9アミノ酸からなるペプチドである。Cys-Tyr-Phe-Gln-Asn-Cys-Pro-Arg-Gly-NH2のCysとCysがS-S結合でつながった構造。

合成・分泌

脳の視床下部にある神経細胞体で合成されたADH前駆体はシグナルペプチドを取り除かれ、軸索輸送により脳下垂体後葉にあるシナプスへ送られて、血管内へ分泌される。

受容・伝達

バソプレッシンのシグナルは腎臓の細胞膜にあるV2受容体を介して伝えられる。そして、3量体Gタンパク質であるGsタンパク質に情報は伝達され、それがアデニル酸シクラーゼを活性化させる。それによりATPがcAMPに変わり、そのcAMPはAキナーゼを活性化する。そのAキナーゼは小胞にあるアクアポリン2を管腔側に移行させて、管腔内の水を細胞内に再吸収する。それにより抗利尿作用が促進される。

作用機序

腎尿細管細胞の一つである腎集合管の水分再吸収を促進する。

医療における応用

バソプレッシンは下垂体後葉の荒廃による分泌不全に対して、注射剤が上市されている。 また誘導体であるデスモプレッシン注射・点鼻も上市されている。

ヒト以外の生物に於いて

腎臓とは異なるタイプの受容体が脳にも分布しており、バソプレッシンが動物の行動に影響を与えることがラットなどを用いた実験で報告されている。