組織学におけ
組織学における固定(こてい)とは、生物の体の一部もしくは全体に加工を施し、標本やプレパラートとして必要な情報の劣化を最小限に食い留めるものである。固定された試料は標本として保存されるか、検鏡用のものは包埋、薄切を経て染色され、観察される。
固定には温度変化(加熱、凍結)や加圧等の物理的な処理と、薬品による化学的な処理とがあり、用いられる薬品を固定剤という。固定により、生体に含まれるタンパク質の変性が起こって酵素の活性が失われると共に、ゲルやゾルの状態だった原形質が完全に固体となる。固定剤の種類によっては、生体分子間を架橋したり、分子自体を酸化したりする事でさらなる組織の安定化を促す。
主な薬品と固定液
固定液は、標本の種類、観察方法により適切なものを選択する必要がある。
光学顕微鏡観察用の固定
- エタノール
- メタノール
- 酢酸
- ホルマリン
- ホルムアルデヒド
- ピクリン酸
以下は固定液として調合されるものの例である。固定液には固定剤の他、用途に応じてpH変化を和らげる為の緩衝剤(バッファ)や浸透圧調節用の塩、粘性調節の為のスクロース等が含まれる。
- ブアン液
- FAA
電子顕微鏡観察用の固定
- グルタルアルデヒド
- 四酸化オスミウム
- カコジル酸
- タンニン酸