生化学(せい
生化学(せいかがく)は生命現象を化学的に研究する生物学または化学の一分野である。生物化学とも言う。生命現象の発現には多くの化学反応が関係しており、それらは化学の言葉で説明しうる。広義の生化学は、生物学の部分ではなく、生命現象を化学的側面から研究する一つの切り口であると言える。あらゆる生体分子と生物、その環境が対象となりうる。
現在の生物学で生化学的と言うときは、生体から目的の分子を取り出して試験管内 (in vitro) で実験を行うこと指すことが多い。生体内 (in vivo) で行う場合は生理学的という。
タンパク質や脂質、糖質、核酸などの高分子有機物を対象とすることが多いが、カルシウムイオンのような低分子を介した反応も扱う。生化学の扱う領域は生体の構成・構造の研究を主とする生物物理学、細胞生物学、分子生物学、生理学、生物工学などと重複し、また生体への作用・変化の研究を主とする、薬学、免疫学、遺伝化学などとも重複し、またその境界は曖昧である。
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歴史
生化学の夜明けは、1833年、酵素の1つジアスターゼ(アミラーゼ)がアンセルム・ペイアン (Anselme Payen) によって発見されたことだろう。1828年にフリードリヒ・ヴェーラー (Friedrich Wöhler) が尿素の合成に関する論文を発表し、人工的に有機物が合成できることが示された。それまで有機物は生体内でのみ作ることができると考えられていた。20世紀中頃にクロマトグラフィーやX線回折、NMR、放射性同位体標識、電子顕微鏡、分子動力学シミュレーションなどが開発されると、生化学は急速に発展する。これらの技術は多くの分子や代謝経路の発見と解析を可能にした。
今日、生化学の知見は遺伝学から分子生物学、農業から医学まで多くの分野で用いられている。最初の生化学の応用は、おおよそ5000年前、パンを膨らませるために酵母を用いたことにさかのぼるだろう。
炭素や水によらない生化学
宇宙生物学の見地から、現在知られているタンパク質や脂質、糖質、核酸などの有機化学に基づくシステム以外の生化学によるシステムの理論や仮説がごく一部で研究されている。しかし、2006年現時点では、炭素を基盤としない生命は発見されていない。
詳しくは代わりの生化学を参照。
関連項目
- 口腔生化学
- 分子生物学 - 細胞生物学 - 生物工学 - 遺伝学
- 生化学若い研究者の会
外部リンク
- 日本生化学会
- 生化学若い研究者の会