蔵本 由紀(


蔵本 由紀くらもと よしき、男性、1940年 - )は、日本の物理学者。京都大学理学部物理学科卒業。京都大学理学博士。京都大学名誉教授。現在は北海道大学COE特任教授。


専門は非線形動力学、非平衡統計力学。特にリミットサイクル振動子の作るネットワークダイナミクスの分野では世界の第一人者。最大の業績として、振動場の位相不安定性を記述した蔵本-Sivashinsky方程式を導出したことがある。これは時空カオスの最初の例である。もう1つの大きな業績として、振動子集団の可解模型(現在では蔵本モデルと呼ばれる)を提唱したことがある。その他、反応拡散系における複素ギンツブルグ-ランダウ方程式の導出、結合振動子系における引き込みの研究などの業績がある。


冨田和久、森肇の弟子に当たる。元々は相転移の統計力学を研究していたが、散逸構造論の世界的権威でノーベル賞を受賞したプリゴジンらの研究に対する疑問から、非線形分野での研究を始めた。


著書の"Chemical Oscillations, Waves, and Turbulence"は非線形動力学の分野でもっとも引用される文献の1つで、「出版部数より引用件数のほうが多い」などと言われている。

略歴

  • 1964年 - 京都大学理学部物理学科を卒業
  • 1969年 - 九州大学助手
  • 1970年 - 京都大学より理学博士号を取得
  • 1976年 - 京都大学理学部助教授
  • 1981年 - 京都大学基礎物理学研究所教授
  • 1985年 - 京都大学理学部教授
  • 2004年 - 京都大学名誉教授
  • 2004年 - 北海道大学COE特任教授
  • 2005年 - 「同期現象などをめぐる非線形科学の先駆的研究」の業績により朝日賞を受賞。

主な著作

  • 『Chemical Oscillations, Waves, and Turbulence』(2003年にDover publicationsより再版)
  • 『散逸構造とカオス』(森肇との共著、岩波書店、2000)