還元主義(か

還元主義(かんげんしゅぎ 英:Reductionism、独:Reduktionismus) とは、複雑な物事は、それを構成する要素に分解し、それらの個別の要素だけを理解すれば、元の複雑な物事全体の性質や振る舞いもすべて理解できるはずだ、と想定する考え方。




  • 1 歴史
  • 2 成果
  • 3 難点
  • 4 関連項目

歴史

デカルトは、動物は(人間とは異なり)還元的に、からくり人形(ある種の自動機械)として説明できるかも知れないと述べた。そのイメージ図 (De homines 1622年)


還元主義の考え方は、デカルトにより『方法序説』の第5部において提示された(1637年)。 デカルトは、世界を機械に譬え、世界は時計仕掛けのようであり、部品をひとつひとつ個別に研究した上で、最後に全体を大きな構図で見れば機械が理解できるように、世界も分かるだろう、という主旨のことを述べた。(分解の後、統合する、という考え方であり、この前半のプロセスの強調が還元主義となってゆくことになった)

成果

還元主義は、無機的な物事を対象とする物理学や化学においては有効であった。それらの分野での、17~20世紀における発展に大きく寄与した。

例えば、"物質の性質は、物質を小さく切り刻んだ要素を調べれば判るだろう" と考えることで、分子や原子の発見へとつながり、やがて素粒子の研究へとつながった。

還元主義により、膨大なデータから偏差を整理しながら近づいてゆき、ひとつの推察にたどりつく、という手法が生まれた。

難点

統合的分析が見落とされる原因となった。(デカルトは[分解→統合]を目指していたにもかかわらず、還元主義により、[分解→分解→分解、、、]という傾向が生まれた、ということ)

還元主義は、そのプロセスの過程で、比較的目立たない要素の研究は放置した上で、目立つ要素をばかりを深堀りしてゆく傾向を生みがちで、結果としていつまでも、元の「全体」を理解するためのデータが出揃わないということになりがちだった。

還元主義による手法では理解し難い対象も存在するという考え方は、デカルトの時代以前からすでにあった(「全体とは、部分の総和以上のなにかである 」 アリストテレス)。 全体性を見失わない考え方は「ホーリズム」と呼ばれている。(Holism)

自然科学に携わる者の間でも、化学や物理学での単純なレベルでの目覚ましい発見が一巡し、関心の中心が、より複雑なもの(生体、集団、複合体など、複雑性や複合性を持つもの)へとシフトしてゆくにつれて、還元主義の問題点は理解されはじめ、否定的な論調で扱われる事が多くなった。その為、"複雑系の科学"の考え方や、他の考え方が生まれ、現在も様々な試みが生まれている。

関連項目

  • 起源・背景
    • アリストテレス
    • 神学
    • 心身問題の哲学
  • 科学
    • 旧来
      • 実証主義
      • 論理実証主義
      • 科学的方法
    • 近年
      • 複雑系、カオス理論、非線形科学、散逸構造、自己組織化
  • 対比
    • ホーリズム


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