生物学と有機


生物学と有機化学の年表




  • 1 1600年以前
  • 2 1600-1800
  • 3 1800-1899
  • 4 1900-1949
  • 5 1950-1989
  • 6 1990 - 現在
  • 7 関連項目
  • 8 脚注

1600年以前

  • 紀元前520年頃 - クロトン(ギリシャの都市名)のアルケメノン(Alcmaeon、古代ギリシア)は、動脈と静脈を識別した、そして視神経も発見していた。
  • 紀元前500年頃1 - ススルタ(Sushruta、古代インド)はススルタ大医典(Sushruta Samhita)を著し、120以上の外科用器具、300もの外科手術法および8種類の手術区分ついて著述している。また、はなそぎの刑に対して整形外科的手術を施した。
  • 紀元前500年頃 - クセノファネス(Xenophanes、古代ギリシア)は、化石を調査して、生命の進化について思索した。
  • 紀元前350年頃 - アリストテレス(古代ギリシア)は、動物の包括的な分類を試みた。彼の著述の、Historia Animaliumは動物の一般生物学、De Partibus Animaliumは動物の比較解剖学と動物の生理学とDe Generatione Animaliumは発生生物学に関する著作である。
  • 紀元前320年頃 - テオプラトゥス(TheophrastosまたはTheophrastus)は、系統的な植物学といえる最初の研究を行う。
  • 紀元前300年頃 - ヘロフィロス(Herophilos、古代ギリシア)は人体を解剖した。
  • 紀元前300年頃 - ディオクレス(Diocles、古代ギリシア)は、最初の解剖学本を書き、解剖学という用語を最初に使用した。
  • 50-70年頃 - 大プリニウス(Gaius Plinius Secundus)は全37巻のHistoria Naturalisを出版した。
  • 130年-200年頃 - クラウディウス・ガレノス(Claudius Galen、古代ギリシア)は、人体解剖で多くの論文を書いた。
  • 1010年頃 - アヴィシナ(英語表記:Avicenna, アラビア語表記:Ibn Sina または Abu Ali al Hussein ibn Abdallah)は、著作Canon of Medicine(Kitab al-Qanun fi al-tibb)を出版した。

1600-1800

  • 1628年 - ウィリアム・ハーヴィ(William Harvey)は、著作An Anatomical Exercise on the Motion of the Heart and Blood in Animals (動物の血流と心臓の動きに関する解剖学的研究)を出版した。
  • 1658年 - ヤン・スワンメルダム(Jan Swammerdam)は、顕微鏡下で赤血球を観察した。
  • 1649年 - ルネ・デカルトが『情念論』(Passions de l'âme )で松果腺からの動物精気が神経を動かし感情が生じるとした。
  • 1663年 - ロバート・フック(Robert Hooke)は、コルクを顕微鏡で観察し細胞を発見した。
  • 1668年 - フランチェスコ・レディ(Francesco Redi)は、腐敗物よりウジが自然発生するという説が誤りであることを証明した。
  • 1674年 - アントニ・ファン・レーウェンフックは顕微鏡で原生動物を観察し、animalculesと命名した。
  • 1676年 - アントニ・ファン・レーウェンフックは顕微鏡でバクテリアを観察した。
  • 1677年 - アントニ・ファン・レーウェンフックは顕微鏡で精子を観察した。
  • 1694年 - ルドルフ・ヤコブ・カメラリウス(Rudolf Jakob Camerarius)は、種子の形成に花粉が必要であり、植物にも動物と同様の性が存在することを証明した。
  • 1765年 - アッペ・ラザロ・スパランツァニ(Lazzaro Spallanzani)は、細胞の生命自然発生説の大半が誤りであると証明した。
  • 1771年 - ジョセフ・プリーストリーは、植物が二酸化炭素を酸素に変えることを発見した。
  • 1798年 - トマス・ロバート・マルサスは、『人口論』(An Essay on the Principle of Population)において人口増加と食料生産の関係を論じた。
  • 17世紀-18世紀 - 化学者ゲオルグ・エルンスト・シュタールは、無機物から有機物を合成できるのは生物のみであり、それは体内の生気が必要であるという生気論をとなえた。

1800-1899

  • 1801年 - ジャン=バティスト・ラマルク (Jean-Baptiste Lamarck)は、無脊椎動物の分類法について初めて詳細に研究した。
  • 1802年 - 現代の「生物学」(biology)という意味でこの用語が、ゴットフリード・ラインホルト・トレヴィラヌス(Gottfried Reinhold Treviranus)の著作Biologie oder Philosophie der lebenden Natur『生物学或いは命ある自然に関する哲学』とラマルク(Jean-Baptiste Lamarck)の著作Hydrogéologieでそれぞれ独自に使用される。biologyの語自身は1800年にカール・フリードリッヒ・ブルダッハ (Karl Friedrich Burdach)が創作した造語である。
  • 1809年 - ラマルクは、獲得形質の遺伝に関する進化論を提唱した。
  • 1817年 - ピエール・ジョセフ・ペルティエ(Pierre-Joseph Pelletier)とジョセフ・ベイネミ・カヴァントゥー(Joseph-Bienaime Caventou)は、葉緑素を単離した。
  • 1820年 - クリスチャン・フリードリッヒ・ナッセ(Christian Friedrich Nasse)は、Nasseの法則を確立した。すなわち「血友病は、男性でのみ発症するが、その遺伝は発現しない女性を介して渡される」。
  • 1828年 - カール・フォン・ベール(Karl von Baer、ドイツ)は、哺乳動物の卵細胞を発見した。
  • 1828年 - フリードリヒ・ヴェーラー(Friedrich Woehler、ドイツ)は尿素を合成した。;無生物の材料から出発する有機化合物の最初の合成例となった。
  • 1836年 - テオドール・シュワーン(Theodor Schwann)は、胃組織の抽出物からペプシンを発見する;動物性酵素の最初の分離例となった。
  • 1837年 - テオドール・シュワーンは、熱せられた空気が腐敗の予防になることを示した(無菌操作法の始まり)。
  • 1838年 - マティアス・シュライデン(Matthias Schleiden、ドイツ)は、すべての植物の生体組織が細胞から成り立っていることを発見した。
  • 1839年 - テオドール・シュワーンは、すべての動物の生体組織が細胞から成り立っていることを発見した。
  • 1856年 - ルイ・パスツール(Louis Pasteur、フランス)は、微生物が発酵の原因であると提唱した。
  • 1858年
チャールズ・ダーウィン(イギリス)とアルフレッド・ラッセル・ウォレス(イギリス)は、自然淘汰による進化論をそれぞれ独自に提唱した。
ルドルフ・フイルヒョー(Rudolf Virchow、ドイツ)は、「細胞は、細胞からのみ発生する」ことを提唱した。
  • 1862年 - ルイ・パスツールは、細胞の自然発生説が誤りであることを証明した。
  • 1865年
グレゴール・ヨハン・メンデル(Gregor Mendel、チェコスロバキア生まれ;オーストリア)は、エンドウ豆の異種交配を観察し、優性遺伝あるいは劣性遺伝する因子についての仮説(メンデルの法則)を提唱した。
フリードリヒ・アウグスト・ケクレ・フォン・シュトラードニッツ(Friedrich August Kekulé von Stradonitz、ドイツ)は、ベンゼンが六角形の環状炭素と水素原子から構成されることを提唱した。
  • 1869年 - ヨハン・フリードリッヒ・ミーシャー (Friedrich Miescher、スイス)は、細胞核から核酸を発見した。
  • 1874年 - ヤコブス・ファント・ホフ(Jacobus van 't Hoff、オランダ)とジョゼフ-アキッレ・ラベル(Joseph-Achille Le Bel、フランス)は、有機分子が三次元立体構造の表現法を確立し、そして炭素原子が4面体構造をとることを提案した。
  • 1876年 - オスカー・ヘルトウィヒ(Oskar Hertwig、ドイツ)とヘルマン・フォル(Hermann Fol、スイス)は、受精卵が男性と女性の核の両方に由来することを示した。
  • 1884年 - エミール・フィッシャー(Emil Fischer、ドイツ)は、糖類の単糖構成の分析と構造を詳細に研究し糖化学を創始した。
  • 1898年 - マルティヌス・ベイエリンク(Martinus Beijerinck、オランダ)は、タバコ・モザイク病が、彼がウイルスと命名した細菌よりも小さいものによって引き起こされることをろ過実験で示した。

1900-1949

  • 1906年 - ミハイル・ツヴェット(Mikhail Tsvett、ロシア)は、有機化合物分離のためのクロマトグラフィー法を発見した。
  • 1907年
イヴァン・パブロフ(Ivan Pavlov、ロシア)は、犬に唾液を分泌させる実験で条件反射を提唱した。
エミール・フィッシャーは、人工的に鎖状アミノ酸ペプチドを合成し、そして蛋白質はアミノ酸より構成され、アミノ酸が連結することで形成されることを示した。
  • 1911年 - トーマス・ハント・モーガン(アメリカ合衆国)は、メンデルの遺伝子が染色体上に配列されていることを提唱した。
  • 1926年 - ジェームズ・サムナー(James Sumner、アメリカ合衆国)は、ウレアーゼ酵素が蛋白質であることを示した。
  • 1928年
オットー・ディールス(ドイツ)とクルト・アルダー(ドイツ)は、環状分子形成反応のディールス・アルダー反応(Diels-Alder cycloaddition reaction)を発見した。
アレクサンダー・フレミング(イギリス)により最初の抗生物質、ペニシリンが発見された。
  • 1929年 - ホエーブス・レヴィーン(Phoebus Levene、ロシア生まれ;アメリカ合衆国)は、核酸中に糖のデオキシリボース(deoxyribose)を発見した。
  • 1929年 - エドワード・ドイジ(Edward Adelbert Doisy、アメリカ合衆国)とアドルフ・ブーテナント(Adolf Butenandt、ドイツ)は、女性ホルモンのエストロン(estrone)をそれぞれ独自に発見した。
  • 1930年 - ジョン・ハワード・ノースロップ(アメリカ合衆国)は、ペプシン酵素が蛋白質であることを示した。
  • 1931年 - アドルフ・ブーテナントは男性ホルモンのアンドロステロン(androsterone)を発見した。
  • 1932年 - ハンス・アドルフ・クレブス(ドイツ)は、尿素サイクル(urea cycle)を発見した。
  • 1933年 - タデウス・ライヒシュタイン(Tadeus Reichstein、ポーランド)は、ビタミンCを人工的に合成し、最初のビタミンの全合成となる。
  • 1935年
ルドルフ・シェーンハイマー(Rudolf Schoenheimer、ドイツ/アメリカ合衆国)は、ネズミの脂肪貯蔵システムを研究するために、トレーサーとして重水素を使った。
ウェンデル・スタンリー(アメリカ合衆国)は、タバコ・モザイク・ウイルスを結晶させた。
  • 1935年 - コンラッド・ローレンツ(Konrad Lorenz、オーストリア)は、ひな鳥の刷り込み行動(imprinting)ついてについて著述した。
  • 1937年
ハンス・アドルフ・クレブスは、クエン酸サイクル(TCA回路)を発見した。
テオドシウス・ドブザンスキー(Theodosius Dobzhansky、ロシア)は、著作の『遺伝と種の起源』(Genetics and the Origin of Species)で進化と遺伝子変異とを関連づけた。
  • 1938年 - 生きているシーラカンスが、南アフリカの海岸沖で発見された。
  • 1940年 - ドナルド・グリフィン(Donald Griffin、アメリカ合衆国)とロバート・ガランボス(Robert Galambos、アメリカ合衆国)は、コウモリが超音波で位置探査(反響定位)を行う発見を公表した。
  • 1942年 - マックス・デルブリュック(Max Delbruck、ドイツ生まれ;アメリカ合衆国)とサルバドーレ・ルリア(Salvador Luria、イタリア/アメリカ合衆国)は、細菌のウイルス感染抵抗性がランダムな遺伝子変異に起因し、後天的に形質を獲得したのではないことを示した。
  • 1944年
オズワルド・エイヴリー(Oswald Avery)は、肺炎連鎖球菌でDNAが遺伝情報を運ぶことを示した。
ロバート・バーンズ・ウッドワードウィリアム・デーリングは、キニーネを全合成した。
  • 1948年 - アーウィン・シャルガフ(Erwin Chargaff)は、DNAではグアニン単位とシトシン単位の数が等しく、アデニン単位とチミン単位の数が等しいことを示した。

1950-1989

  • 1951年 - ロバート・ウッドワードは、コレステロールとコーチゾンを全合成した。
  • 1952年
アルフレッド・ハーシー(Alfred Hershey)とマーサ・チェス(Martha Chase)は、放射性のトレーサーを使い、バクテリオファージ・ウイルスでDNAが遺伝物質であることを示した。
フレデリック・サンガーハンス・タピィ(Hans Tuppy)、とテッド・トンプソン(Ted Thompson)は、インシュリンのアミノ酸配列を全決定し、クロマトグラフィー解析法を確立した。
ロザリンド・フランクリンは、エックス線回折法でDNAの構造を研究し、外側に糖とリン酸から成る骨格を有することを示唆した。
  • 1953年
ジェームズ・ワトソンフランシス・クリックは、DNAの二重らせん構造を提唱した。
マックス・ペルーツジョン・ケンドルー(John Kendrew)は エックス線回折法でヘモグロビンの構造を決定した。
スタンレー・ミラー(Stanley Miller)は、水、メタン、アンモニアと水素を格納した容器中で稲妻を模した放電すると、アミノ酸が形成されることを示した。
  • 1955年
セベロ・オチョア(Severo Ochoa )が、RNAポリメラーゼ酵素を発見した。
アーサー・コーンバーグ(Arthur Kornberg)が、DNAポリメラーゼ酵素を発見した。
  • 1960年
ヨアン・オロー(Juan Oro)は、青酸アンモニウムの濃縮溶液から核酸塩基のアデニンが生成することを発見した。
ロバート・ウッドワードは葉緑素を全合成した。
  • 1967年 - ジョン・ガーデン(John Gurden) は、卵に細胞核移植をしてツメガエルのクローンを作成した。ここれが脊椎動物の最初のクローニングとなる。
  • 1968年 - フレデリック・サンガーは、120塩基長のRNA塩基配列をクロマトグラフィー法で解読をする為に、放射性リンをトレーサーとして使用した。
  • 1970年
ハミルトン・スミス(Hamilton Smith)とダニエル・ネーサンズ(Daniel Nathans)は、DNA制限酵素を発見した。
ハワード・テミン(Howard Temin)とデヴィッド・ボルティモア(David Baltimore)は、逆転写酵素をそれぞれ独自に発見した。
  • 1972年
ロバート・ウッドワード(Robert Woodward)は、ビタミンB12を全合成した。
スティーブン・ジェイ・グールド(Stephen Jay Gould)とナイルス・エルドレッジ(Niles Eldredge )は、生物進化の断続平衡説(theory of punctuated equilibrium )を提唱した。
  • 1972年 - S.J.シンガー(S.J. Singer)とG.L.ニコルソン(GL Nicholson )は流動モザイクモデルを提唱し、全ての細胞の細胞膜がその様に構成されていることを発見した。
  • 1974年
マンフレッド・オイゲン(Manfred Eigen)とマンフレッド・サンパー(Manfred Sumper)はヌクレオチド・モノマーとRNAレプリカーゼを混合するとRNAが生成することを発見し、この機構によりRNAは自発的に複製、変異、進化することを示した。
レスリー・オーゲル(Leslie Orgel )は、RNAがRNAレプリカーゼの存在なしで複製することができ、このとき亜鉛が複製過程を補助することを示した。
  • 1977年 -
ジョン・コーリス(John Corliss)、ジャック・ディモンド(Jack Dymond)、ルイ・ゴードン(Louis Gordon)、ジョン・エドモンド(John Edmond)、リチャード・フォン・ハーゼン(Richard von Herzen)、ロバート・バラード(Robert Ballard)、ケネス・グリーン(Kenneth Green)、デイヴィッド・ウィリアムス(David Williams)、アーノルド・ブレインブリッジ(Arnold Bainbridge)、キャシー・クレーン(Kathy Crane)そしてティアート・ヴァン・アンデル(Tjeerd van Andel)は、ガラパゴス海溝の熱水放出口(熱水鉱床)の周囲に嫌気性化学合成代謝に立脚した生態系を発見した。
ワルター・ギルバート(Walter Gilbert)とアラン・マクザム(Allan Maxam)は、塩基配列をクローニング後、化学分解しゲル電気泳動に掛けるテクニックで高速塩基配列判定する方法を実証した。
  • 1977年
フレッド・サンガーアラン・カールソン(Alan Coulson)は、ジデオキシヌクレオチドとゲル電気泳動を使う、高速塩基配列判定法を実証した。
  • 1978年 - フレッド・サンガー(Fred Sanger)は、5,386塩基対のウイルス PhiX174を用いて、全塩基配列を解析し、全ゲノムを確定した。
  • 1982年 - スタンリー・B・プルシナーはプリオンの概念を提唱した。
  • 1983年 - キャリー・マリスは、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)を発明した。
  • 1984年 - アレック・ジェフリーズ(Alec Jeffreys)は、DNA鑑定法を発案した。
  • 1985年 - ハリー・クロトー(Harry Kroto)、J.R.ヒース(J.R. Heath)、S.C.オブライエン(S.C. O'Brien)、R.F.カール(R.F. Curl)、とリチャード・スモーリー(Richard Smalley)は、バックミンスター・フラーレン(C60)が特異的な安定性を示す分子であることを予測し、その構造を推定した。
  • 1986年 - アレキサンダー・クリバノフ(Alexander Klibanov)は酵素が非水溶液環境下でも触媒作用を示すことを実証した。

1990 - 現在

  • 1990年 - ヴォルフガング・クレストマイヤー(Wolfgang Krätschmer)、ローウェル・ラム(Lowell Lamb)、コンスタンティノス・フォスティロフォロス(Konstantinos Fostiropoulos)とドナルド・ハフマン(Donald Huffman)は、バックミンスター・フラーレン(C60)が煤中に存在し、ベンゼンで抽出されることを発見した。
  • 1996年 - 羊のドリーが、成熟した哺乳動物で初のクローンとなる。
  • 2001年 - ヒトゲノムの全解読結果の、ドラフト第1稿が公開された。
  • 2003年 - ウイルスを、ゼロから(遺伝子情報から)初めて製造した。

関連項目

  • 年表一覧
  • 医学と医療技術の年表
  • 化学
  • 生物学

脚注

1 Sushruta Samhitaは生没年不詳であるが、A Tribute to Hinduismによると紀元前5世紀に生きていたとされる。