天体観測




天体観測(てんたいかんそく)とは、天体そのものや天体の運行、変化などを観測することである。天体観測は肉眼で夜空を見上げることから始まり、アマチュアが双眼鏡や小さな望遠鏡を使って趣味的に行う観測から、天文学者が高度な天体望遠鏡や観測機器を用いた観測まで幅広く行われる。観測は主に地球上から行われるほか、人工衛星の軌道上などのある一点からも行われる。主たる観測対象は、星座や恒星、流星、火星や金星などの惑星、あるいは月の満ち欠け、星の動きなど。天文学は天体観測を含み、その物理学的探求は宇宙物理学によって研究される。




  • 1 歴史
  • 2 天体観測の応用
    • 2.1 時刻
    • 2.2 農耕
    • 2.3 地理
  • 3 天体観測から生まれた言葉
  • 4 現代の天体観測
    • 4.1 先端科学的天体観測
    • 4.2 一般への普及
    • 4.3 新天体発見から確定まで
  • 5 関連項目
  • 6 外部リンク

歴史

古くはエジプト文明やインカ文明でも、天体観測が行われ、天体の運行により暦や時刻を測り、季節など農耕等に不可欠な農業暦も作っていたという。ピラミッドの構造やインカの天文台の跡、あるいはヨーロッパでもストーンヘンジなどの巨石遺跡の中には、春分や秋分を観察していたことを示すような配列の構造が見られたりする。のちに、海運などが発達するにつれ、星は夜間の方角を知る道しるべとしても行われた。北極星・北斗七星は北方向を指し示す代表的な天体である。

ギリシアの古代の哲学者、タレスは天体観測にも深い造詣を持っていたことでも知られる。天体を眺めながら夜道を歩いていて転んだところを、人に笑われて、次のシーズンの穀物の作柄を予想し、投機で大きな儲けを上げて見せたという。またかなり古い時期から、生まれた時の星座の状態など天体を通して運勢を占う占星術も発達した。

また、天体観測の積み重ねによって天文学の進歩が行われたことも確かである。例として、プトレマイオス朝エジプトの博物学者であったエラトステネスによって、地球の大きさを測ることも行われた。これは、エジプトのテーベとアレキサンドリアとの間における太陽の影の投影角度の違いを、旅人の話から知り、テーベとアレキサンドリアとの距離を測ることによって、地球の大きさを求めようとした最初の試みであると考えられている。

天体観測が肉眼によるものから、天体望遠鏡による観測へ劇的な進化を遂げたのは、オランダの眼鏡職人ハンス・リッペルスハイが発明した望遠鏡を応用して、イタリアの物理学者ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を空に向けたことが始まりであると考えられている。

天体観測の応用

時刻

特に有名なのは日時計である。太陽の運行を観測する事により時刻を知ることが出来る。

農耕

星座の運行を観測することにより、農作物の種まきシーズンなどを知ることが出来る。例えばスピカは麦の穂という意味だが、この星を見て麦の種まきシーズンの到来となった。日本ではアークトゥルスが麦星に当たる。こういた知恵を基に作られたもので、農業暦というものもある。

地理

太陽・星座の方向や角度などを観測することにより、自分の位置を知ることが出来る。

天体観測から生まれた言葉

  • お天道様 - 太陽を指す。天道(てんと)は太陽の通り道=黄道を意味する。
  • テントウムシ - 太陽のマルから連想して天道虫(テントウムシ)とも言われている。

現代の天体観測

先端科学的天体観測

一般への普及

趣味や野外活動の一環として、天体観測を行っている人もある。天文台が行う「星の観察会」や、キャンプでのスターウォッチングなど研究というより、社会教育やレクリエーション的な側面で行われていることも見受けられる。夏季には「星祭り」と言われる観望会が各地で開かれ、趣味人が集まって天体観測をするイベントが開かれる。

また、全国星空継続観察といって、環境省が、毎年夏と冬の2回、全国の一般市民に呼びかけて星空を観察し、光害や大気汚染などの環境問題への関心を高めるという事業も展開されている。


新天体発見から確定まで

もしも、貴方(や貴方の所属するグループでも良い)が望遠鏡等を用いて、新天体を発見したとしよう。新天体を発見したら、日本の場合には国立天文台へ連絡を行うことになる。国立天文台では、他の観測機関や他の観測者からの連絡を受けて、その天体の種類を確定するための相互検証を行う。そして、惑星(小惑星・彗星も含む)等の場合には、軌道を確定するための観測を行い(※)。発見した天体を新天体として登録するための手続きがはじまる。新天体として、登録を受けた天体は、彗星の場合、発見者の名前がつき、小惑星の場合、発見者に命名提案権が与えられる。衛星の場合は命名規則が厳しいが、発見者の希望が考慮されることがある。惑星の発見に関する規定はまだない。

(※)ここまで、観測や軌道計算等を行うアマチュアの観測者がいる。著名な人物として、関勉、中野主一があげられる。特に、日本では、この分野のアマチュア観測者が多いことも特徴である。

関連項目

  • ハッブル宇宙望遠鏡
  • 天文学
  • 天文台
  • 星占い
  • 黄道十二星座、十二宮
  • 『天体観測』は、BUMP OF CHICKENのシングル。
  • 天体観測』は、2002年にフジテレビで放送されたドラマ。天体観測 (ドラマ) を参照。
  • 天文雑誌

外部リンク

  • 高校生天体観測ネットワーク
  • 天体観測のページ
  • 国立天文台
  • everynight tetsuちゃんの夜毎の星空