抗体を使った分析法(生化学的手法)

抗体というのは、体の中に異物が入ってくると、その異物を体から出すために作られるものです。花粉症では、その異物が花粉であり、そしてその花粉を取り除くために出てくるのが抗体です。この抗体は、異物とくっつくという性質があります。くっつくと、その異物の情報をべつの細胞に伝えて、最終的にくしゃみや鼻水を出させることで、異物である花粉を除去しようとするのです。

この作用の度が過ぎると花粉症と呼ばれてしまうのですが、本来は、体を守る仕組みとしてとても有用なものです。もしもこんな仕組みが体にそなわっていなくて、異物がいっぱい入ってきて体にたまってしまったら、病気になってしまいます。抗体も、適度に働いてくれれば、健康維持に役に立ちます。それが、異物ではないものまで排除しようとするから、アレルギーになってしまうのですね。

このように、抗体は、ある特定の異物とくっつくという性質があります。よって、この性質を臨床化学分析に利用することができます。たとえば血液中にインシュリン(ホルモンの一種)がどのくらい入っているかを調べたいとします。そのときは、インシュリンを異物として認識するような抗体を作って、その抗体を血液に加えます。そうすると、赤血球や白血球などのほかのものとはくっつかないで、インシュリンとだけくっつくので、すぐにインシュリンがどれくらい含まれているのかを知ることができるのです。